戦闘艦隊について
From: Satoshi Te-Sudak
Sent: 2013.09.10 17:09
To: SKT Space Exploration Company, 

艦隊とその運用目的

ここで艦隊とはコアとサポートのサブグループにはっきり分けられていて統一された指揮のもとで行動する船の集団の事を言う。ゲームのシステム上はどのような形でも艦隊を組むことが可能だがここでは上記の集団を艦隊と呼ぶ。
さて、我々は何のために艦隊を組むのでしょう?それは役割分担と協力体制を確立させることによって全体的な質の底上げをするためだ。艦隊はもっとも多くの役割を分担させて個別に船をあてがう為に通常10隻以上からなる。それよりも規模の小さい集団だと一人で複数の役割を兼任する必要が出てくるために効率が下がる。極端な話、全ての役をこなすたった一人のパイロットを以てして艦隊とする事もできるが...すべてに対応出来る船を組んでみれば私の言いたいことは分かるだろう。
艦隊の運用目的は大抵同規模の敵との交戦であり、その敵もまた艦隊を組んでいることが多い。

艦隊の中の役割選び

艦隊は一つの事に特化する機会を与えてくれるので自分が好きで得意としている事に専念できる事になる。言い換えれば自分が気に入ってる役割を自分より上手くこなせるパイロットガいないのならほぼ常に自分が艦隊でその役を与えられる事になる。精進するためのインセンティブとして中々良い事だと思う。自分の役割を選ぶときの三つの点:
1)艦隊に必要な役である事
2)自分で気に入ってる事
3)それなりのレベルでこなせる事

役が艦隊にとって必要であるかは艦隊集結時の目的によって変わる。多くの場合、自分のしたいことが艦隊に必要かどうかは艦隊司令官が答えてくれる。選んだ役割が好きならより高いレベルでこなすために努力するだろうし、それが次も同じ役割を与えられる事につながる。

役割に合わせた船とフィット選び

役割に特化することで専門的なボーナスを持つ船を選ぶことが出来る。EVEにおけるバランスの特徴として何かに特化した船が他の分野ではほぼ使い物にならない代わりに自分の分野では他の追従を許さないことにある。これが役割分担をしている艦隊がそうしていない艦隊を上回る要因である。船もフィットも自分の役をより高レベルでこなす事を念頭に入れて選ぶべきである。タックラーなら最速で相手を捕らえて長時間抑えていられる装備が必須であり、ECM艦は敵よりも素早く的確に相手の船を戦闘不能に出来なくてはならず、ダメージ担当は艦隊の生存のために桁違いの攻撃力が必要で、Covertなら遮蔽したままでの移動は素早くポジションを入れ替えて最短でプローブスキャンをこなす能力が必要等々。

艦隊移動と交戦

艦隊は特化した船の集団であるためにその移動は素早い展開と各船が直ぐに自分の仕事に入れる事を可能にする必要がある。尚、いくつかの役は行軍の時点から力を発揮し始める:
1)艦隊司令官 - 言うまでもなく全体の指揮
2)偵察 - 艦隊の目と耳である
艦隊が決まった目的や行先を持たない場合には偵察が周辺の星系を交戦の機会を求めて飛び回る。他の船は一つの塊でそれについて行く。特に司令官から指示をもらっている場合を除いて常に仲間と一緒にいることによって司令官と偵察部隊の精神を安定させ、特化型の自分の船が本体から離れた所でソロハンターの餌食になることも避けれる。
離脱と交戦もソロの時と違って自分の準備が出来次第ではなくて命令に従って行われることにある。つまり、命令の前に準備を整えておかなくてはならない。もし偵察と同じVCにいるならその報告は戦闘の発展を予想するのに役に立つ。


艦隊戦時の離脱
交戦時に離脱が許されるのは自分の役割遂行が不可能になった時。ECMくらって何も出来ない、戦場から遠い所でタックラーに抑え込まれている、瀕死に近い被害を受けている。そんな時は自分が生き残ることを優先させて良い。そんな状態では艦隊の役に立たないからだ。(逆に相手のタックルとECMを引き付けることで役に立つこともある)もし可能なら自分が離脱するのを司令官にVCで知らせるべきである。残りの戦力を把握させるために。

艦隊での交戦
艦隊戦とは自分に与えられた役目を遂行することである。メジャーな役割とそれぞれが何をするものなのかを見てみよう。これらが艦隊における役割の全てではないが、以下に出てくるものはほぼ確実に艦隊に含まれる。他にも特別な船やフィットを必要としない情報や連携を扱う役割があり各艦隊のニーズに合わせて形成されたりする。タイタン、ドレッドノートや空母などのキャピタルシップの役割はこのガイドでは扱わない。

艦隊司令官
司令官は艦隊の頭脳である。司令官が自ら全ての判断を下すのと思うのは間違いだが、いずれにせよ艦隊が目的を遂行できたかの責任は司令官にある。その責任は評判と直結する。EVE内に特定の司令官の指揮下に入る事を強制するメカニズムが無く全てのパイロットはある程度司令官を選べることから評判の悪い司令官の下に人は集まらない。作戦終了時の士気が司令官の行動に対する評価であり司令官が自分の行動を図る物差しになる。その他の司令官の機能は明確でありここで触れる必要は無い。

艦隊の核
重量級戦艦
重量級戦艦とは戦列艦の事である。指示された標的に最大限のダメージを与えつつ相手からの砲撃を受けるのが役目。これをするには僚艦と同時に相手にロックして同時に兵器を起動させる事が求められる。艦隊戦の特徴として一撃のダメージ、艦隊の斉射ダメージがある。十分な数の船があるとすれば理想的な連携をもってして重量級戦艦は一撃で相手の戦列艦等を沈めることが出来、相手の船一隻に対して艦隊の斉射を一度行うだけで事足りる。斉射時に与えるダメージに最も優れているとされているのが1400mmT2アーティラリー装備のミンマタールのテンペスト。しかし、だからと言って他の国の船がそれに劣る訳ではない。実戦において重量級戦艦の射撃効率は標的までの距離、標的の速度、射撃の同時性、標的のタンクの強さ、標的を差す判断速度等に影響される。一撃で沈まなかった標的のタンクを押し切り次の標的への切り替えを可能にするのはテンペストではなくより短い発射間隔を持つその辺のメガトロンやアルマゲドンになる。ここで大事なのはコアなくして艦隊は成り立たないのでまず十分な数の戦列艦等を集める事から初めて、それが揃ったら他の船を揃えはじめるのが普通とされている。

アンチサポート
アンチサポートは自軍の重量級戦艦を相手のサポート艦から守るのが役目。このグループには相手のサポートに対抗する全ての船が含まれる。艦隊の核と共に移動をするのが普通であるために速度や旋回性に対する注文は重量級戦艦に対するのと同レベル。簡単に言えばアンチサポートは重量級戦艦の守り手として常に隣に居て相手のサポート艦の相手をする。敵のタックラー、ECM艦、小型艦の処理などがアンチサポートの仕事だ。

サポート
サポートなしで効率的な艦隊は出来上がらない。フリゲート級や巡洋艦級等の高速機動艦は艦隊の核が目的を達成する為に実に様々な役をこなす事が出来る。同じ頭数の艦隊がぶつかったなら全て重量級戦艦のみで構成された艦隊は半分をサポートに当てている艦隊に後れをとる事からもサポートの重要性を知る事が出来る。相手の船をECMで無力化する、標的をタックラーで抑え込む、偵察する、戦列艦を最適な砲撃の距離に誘導する等は全てサポート艦が行う。以下は主なサポートの種類。

前衛
艦隊のコースに沿って2ジャンプ以内で先頭を飛び最初に星系に入るのが前衛の偵察機。艦隊がどのような状態で交戦を始めるかを決めるために艦隊司令官の次に大事な役割と言える。経験の浅い司令官は安い船に乗った初心者を偵察として使うことがある。これはこれで多少理にかなっている、何故なら安い船と経験の浅いパイロットの損失は全体の戦力に響かないからだ。しかし結果として司令官は前衛が居る星系の不完全の情報しか得られずもっと悪いことに経験の浅いパイロットは大事な情報を見落として交戦の条件を悪化させて敗北につなげる可能性もある。さらに想像してみて欲しい。たった一人で星系に現れたリフターが狂犬さながらの勢いで一人では絶対に落とせないような船に仕掛けはじめた。少しでも頭を使えるパイロットなら隣の星系に本体が潜んでいて誰かがリフターと交戦するのを待ち構えている事に思い当たる。
最も優れた前衛の偵察機はソロの経験が豊富で状況判断力に優れて大事な事を本体に伝えられるようなパイロットだ。前衛の偵察機の最低限の条件は高い速度(4-6km/s)とそれなりのタンク。偵察機には艦隊から支援を受けるために最低でも1分ある。ゲートを抜けて戻るまで30秒、戻って透明状態で30秒。それだけあれば艦隊は追いつける。たまに姿を消せるフリゲートが前衛の偵察に送られることがあるがそれでは不十分だ。ただの偵察には向いていても前衛の偵察機には交戦を初めて艦隊が追いついてくるまで耐える能力も必要だ。以上から前衛の偵察としてHACかReconに乗った1-2の経験豊富なパイロットが最も良いだろう。

Covert
Covert-Opsは純粋な偵察で敵の船と交戦することは想定していない。これらの船は敵のPOSの偵察、プローブスキャンで敵機を見つけて艦隊を誘導する、交戦の初めに艦隊のポジションを用意するビーコンの役割などになる。各国に一隻ずつ専門船が存在する。また、Covert Ops Cloaking Device IIを搭載できる船もこの役目を果たせる。違いとしてそれらの船はスキャン速度が低くそれなりの火力、タンク、ECMを持つので艦隊が到着するまで単数の敵を抑え込むことも出来る。

タックラー
タックラーの役目はワープ妨害機を駆使して相手にワープアウトさせない事にある。たいていの場合に負けそうだと判断した側は離脱を試みる。タックラーの役目はそれを妨げ戦闘を回避させない事にある。これによってタックラーの条件はワープ妨害機の搭載、有効距離に素早く到達する速度とアンチサポートの砲火を生き延びる腕。アンチサポートの砲火を潜り抜けるには速度と回頭性しかない。戦闘機乗りの最初のステップがタックラーだと言える。ベテランへの道は戦闘中の機動を身に付ける事から始まる。

ECM
ジャミング艦の役目は相手のECMの無力化と可能なら相手の重量級戦艦の無力化にある。何故その順番なのか?それは先に敵の核を無力化させ始めると敵のECM艦がこちらのジャミングを切って逆にこちらの核をジャミングする事に繋がるからだ。こちらのECM艦は役目を果たしてない事になる。ここで大事なのはターゲットが被らないグループ内の連携とロック速度。敵のECMより早くジャミングする必要があるためにロック速度は非常に重要。ECM艦の凶悪さは真っ先に狙われる要因だ。交戦の最初にカルダリ系(Sensor Jammer)とガレンテ系(Sensor Dampener, Warp Disruptor)のECM艦を落とす事から始まる。アマール系(Tracking Disruptor, Energy Neutralizer)はそこまで凶悪ではなく使われる頻度も低い。ミンマタール系(Stasis Webifier, Target Painter)はそれ単体で対象を無力化しない。

小型艦
このグループにはフリゲート級や巡洋艦級のこなすその他諸々の役目を含める。大抵このグループの役目は偵察機に素早く加勢する、無力化された敵ECM艦を落とす、艦隊を敵タックラーから守る、艦隊が到着するまで相手をその場に繋ぎ止める事等になる。このグループの船は複数の役をこなす事が出来て司令官の万能リザーブと言える。